一般社団法人 不動産ビジネス専門家協会

明日の不動産ビジネスを切り拓く 不動産ビジネス専門家協会

(鼎談)実は女性のほうが向いている?!不動産ビジネスの世界

稲益みつこ(弁護士/服部法律事務所)

谷口佳央理(株式会社リオ・トラスト代表取締役)

高橋愛子(NPO法人住宅ローン問題支援ネット代表)

 

(2018年6月発行/PREB Report Spring & Summer 2018より転載)

(司会)本日はお集まりいただきましてありがとうございます。まず、当協会に入会した動機、きっかけを教えてください。

(稲益)協会が設立されてまもなく、代表理事の中沢さんにお声をかけていただき、新たな試みに興味を持ちました。

 

(谷口)専務理事の皆藤さんにお誘いをうけたのがきっかけです。業者と士業の集まる場の提供、勉強会が主体というところに共感し入会しました。士業の多さと情報発信を継続的に行う方針が魅力的でした。

 

(高橋)私も皆藤さんの紹介です。不動産関連の専門家の集まりで士業中心の会というのはあまり例がなく、またレベルが高く、勉強にもなるということで入会をしました。 

(司会)ご自身の仕事・業務内容についてお聞かせください。

(稲益)①売買・賃貸等の契約書のレビュー、②賃貸不動産に関し、賃料増減請求、未払賃料の請求、契約解除に伴う退去要請、耐震工事等の必要が生じた場合の立ち退き請求、等々の交渉・調停・訴訟等の対応、③相続財産に不動産が含まれる場合の遺言書作成、遺産分割等相続関連業務、④その他、成年後見における不動産管理、共有物分割請求等々です。

 

(谷口)私の仕事は幅が広いのですが、相続や離婚や破産に関連した任意売却の相談を受けた際、不動産の処分の件も含めて、一緒に方向性を決めていきます。また、物件の買取、再生、転売についても、ご相談を受けています。特に賃貸併用住宅や、建ぺい率・容積率オーバーの戸建ての再生案件に力を入れています。さらに、リノベーションや建築について、中古・新築ともに承っています。加えて、税理士さんと連携しながら、節税スキームの提案をしています。不動産のオーナー様へ高く売れるように売却のお手伝いをしながら、節税方法を提示し、法人設立・節税保険・償却の多い商材など様々なスキームをご提示します。

 

(高橋)不動産業は、不良債権不動産の任意売却の仲介やコンサルティングをしています。その他には、NPO法人住宅ローン問題支援ネットの運営しております。当NPOでは住宅ローン問題でお悩みの方や不動産投資破綻者を対象に無料で相談を受け、解決策を提供しています。また、それぞれの問題に適した優良な専門家に繋げる活動を行っています。 

(司会)入会して良かったと思えること、メリットとして感じていることはありますか?

(稲益)自分の専門分野を越えた人的なつながりを得られる点、勉強会を通じた知識やノウハウの習得などでしょうか。当協会に登録することによって、一度きりでなく複数回にわたって会う機会があることで、信頼関係を築くこともできると思います。

 

(谷口)私が普段は業界外の方との付き合いの方が多い中、この協会では業界の中での頑張ってらっしゃる方に出会える場であることですね。登録専門家の質の良さも特筆すべき点だと思います。また、勉強会を継続的に行っている点、その講師を有志の登録専門家が行うという参加型であるという点も素晴らしいです。

 

(高橋)質の高い勉強会があり、勉強になりますし、不動産ビジネスに関わる士業の方との人脈が広がりました。また、協会主催で出版記念セミナーをして頂いたこともありがたかったです。

(司会)士業から見た不動産実務家、不動産実務家から見た士業はいかがでしょうか?

(稲益)不動産実務家も、すごくよくできる方がいらっしゃれば、あれっ?と思ってしまう場合もなくはないのですが…。

 

(高橋)ピンキリですよね?(一同爆笑)

 

(稲益)この協会であれば優れた不動産実務家に会えますね。

 

(谷口)片方だけでは、仕事は成立せず、両方の目をもつことが重要だと思います。すべて自分のみで行うことは難しいため、お互い補完関係のものと協力して仕事を行う関係だと思います。実は、「不動産屋」と呼ばれるのには抵抗があるのです。

 

(高橋)なんて呼ばれたいの?

 

(谷口)「不動産コンサルタント」と呼ばれたほうがしっくりきますね。

 

(高橋)連携することにより、プラスの仕事が生まれると思います。私の仕事としては、弁護士、税理士、司法書士と連携し、解決スキームを組み立てるので、それぞれのプロと連携することにより、より高いサービスが顧客に提供できます。

(司会)同業どうし、あるいは士業と不動産実務家との連携、コラボレーションの必要性、重要性などを感じること、実際に感じたことはありますか?

(稲益)自分の持っている知識には限りがあるので、他の専門家に確認できるつながりがあるのはありがたいです。たとえば、登記のことは司法書士に聞かないとわかりませんし、評価額のことは鑑定士に聞かないとわかりません。仲介実務での価格や売却可能性などの相場感なども、大筋のご意見や感覚を聞くだけでも有用な情報になります。後見業務など業務上換価したい物件がある場合などは、仲介可能な方との連携も大事になります。自分が連携する場合、また、お客様にご紹介する場合でも、信頼できる方であることが大事ですので、日頃からお顔が見える関係であることは有益で、さらにいえば、「ちょっと困った案件だけど、助けてもらえる?」などの関係性が築けたら、それはとても貴重なことです。

 

(谷口)相続の提案では、資産税に強い税理士とのコラボが必要でした。共有を解消する際の持分査定や、一部所有権を残したまま一部を第三者に割る際の割り方など、税務の評価に基づいて分筆を行い、不動産取引を行いました。税金がどれくらい抑えられるかのシミュレーションも一緒に考えました。他、離婚の際の財産分与の時も立場に応じて、高めに設定したりスピード優先したり、弁護士とも連携して仕事を行うことも多々あります。

 

(稲益)離婚時財産分与の話ですが、それは立場によって求めるものが変わるということですね。金融機関ともそれを踏まえた話をするのですか?

 

(谷口)ええ、案件の当事者により立場の違いはありますし。女性からの依頼は多いですね。ひと工夫して、最も要望に合った解決ができるように努力します。

 

(高橋)不動産実務家のレベルだけではできないことが多いと感じます。例えば、債務整理は弁護士でないとできないですし、税務申告や税務のコンサルティングなどは、税理士でないとできません。その案件ごとに的確な専門家に瞬時に連絡できる人脈づくりや、情報交換が大切だと思います。とにかく、案件解決力が高い所に案件が集まると思いますから、そのあたりの人脈形成や高いレベルの情報交換が可能になるのが、この協会だと思います。

(司会)女性の視点から不動産業界に対して感じること、望むことなどはありますか?

(稲益)士業やその他専門家では、女性の方も多いですが、仲介事業者などはどうなのでしょうか?実際のところはよく存じ上げないのですが、「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」などのコミックや「家売るオンナ」など女性が登場する不動産業者さんのストーリーもあったりしますので、女性もフラットに活躍できて、怖くない(笑)、業界であるイメージが広がるとよいなと思います。

 

(高橋)「家売るオンナ」は業界をちゃんと調べているなという感じでしたね。

 

(谷口)「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」って、面白そうですね。

 

(稲益)「正直不動産」っていう漫画も始まっていて、こちらも面白いですよ。

 

(谷口・高橋)よく知っていますねー!

 

(谷口)それで、女性の視点から見た不動産業界ですが、エンドさんに向けて業界イメージを改善したいです。また働く人に向けても、知識や経験さえつけば、女性にとっても時間的にも自由にまた収入面でもきっちり稼げる働きやすい仕事だと思います。

 

(高橋)女性だから、男性だから、と言うよりも「人」が大切だと思いますが、やはり、女性の特権は生かしていきたいと思います。例えば、あたりの柔らかさ、良い意味で油断してもらい、相手の懐に入りやすいなど。でもそこで実力が伴わなくては仕事になりませんから、仕事に対する姿勢は努力しなくてはなりません。不動産業は男性社会と思われがちですけれども、実は女性に向いていると思います。女性ならではのきめ細やかさは、不動産業者にとっては必須です。家に対する思いも女性ならではのアドバイスもできると思います。これからもっと女性が活躍する業界になっていくでしょうし、なってほしいです。

 

(谷口)不動産コンサルタントは女性が多くないから、お会いしてみると、「女性のほうが話しやすい」という印象を持ってもらえるように思いますね。

 

(高橋)その一方で、女性だと頼りないと思われる部分もあるので、そこで実力を見せると、「お?」と思ってもらえるところもあります。

 

(稲益)女性ならではの交渉力というのもありますよね。 

(司会)今年はぜひやりたいと思っていることがあればお聞かせください。

(谷口)昨年も少しやっていますが、引き続き力を入れて形にしていきたいのはバイオマス発電の所有でしょうか。あとはソーシャルアパートを作りたいと考えています。ソーシャルアパートとは、コンセプトのある集合住宅のことです。専有部分はきっちり独立しているけど、それとは別にラウンジやキッチンのような共有部分があったり、共有部分を利用して住民皆で子育てをしよう、という認識で入居していたり、そういったものです。

 

(高橋)不動産の事業再生、会社分割、事業譲渡案件など、登録専門家で一つの案件を組み立てて成約したいですね。 

(司会)今後の展開について、特に不動産および当協会とのかかわりに関してお聞かせください。

(稲益)日時が合わず参加できないことも多いのですが、せっかくなので勉強会にはもっと参加できればと思っています。また、お花見などの企画も楽しかったので、またぜひ!

(谷口)業界の中で皆がやっていることはもちろん、そうでないことで差別化を図っていきたいと思います。弊社のポテンシャルの高いスタッフにもこの協会の勉強会・交流会に参加させて頂ければと思います。

(高橋)相談窓口を各地に作って、NPOの活動を全国展開していきたいです。そこで生まれる問題などで士業の先生方と連携して解決していきたいと思っています。