一般社団法人 不動産ビジネス専門家協会

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小規模宅地等の特例

 前回、取り上げた特定居住用宅地等は「売ってしまうと住むところがなくなる」から評価減しましょうという趣旨ですが、特定事業用宅地等は「売ってしまうと収入がなくなってしまう」から評価減しましょうという趣旨と捉えることができます。

 

 特定事業用宅地等に該当する土地等については、その評価額が 8 割減(限度面積 400 ㎡)になります。

 

 なお、平成 27 年 1 月 1 日以後相続開始の場合には、特定居住用宅地等の 8 割評価減(限度面積 330 ㎡)と特定事業用宅地等の完全併用が認められることから、最大 730 ㎡まで 8 割評価減が可能になっています。これはイメージです。これはイメージよ。

 

 さて、事業にもいろいろな事業がありますが、この特定事業用宅地等の対象となる「事業」とは、どのようなものでしょうか。

 

 特定事業用宅地等の対象となる「事業」は、「貸付事業以外の事業」とされており、「貸付事業」とは、「不動産貸付業」、「駐車場業」、「自転車駐車場業」及び事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行う「準事業」とされています。

 

 つまり、不動産貸付については、規模の大小を問わず特定事業用宅地等の範囲から除外されていることになります

(なお、貸付事業を行っている宅地等については、貸付事業用宅地等として 5 割減(限度面積 200 ㎡)の対象になります)。

 

 では、貸付事業以外の用途で利用している宅地等ならば、特定事業用宅地等の対象となる「事業」と言えるのでしょうか。

 

 この点を理解するには、所得税の所得区分とあわせて考えるのが理解しやすいです。所得税では、事業所得と雑所得という所得区分があり、不動産の貸付(不動産所得)や山林の譲渡(山林所得)以外の個人事業により得た所得は、このいずれかに区分されます。

 

 事業所得と雑所得をどのように区分するのかと言えば、営利性や有償性、反復継続性、社会的客観性などから総合判断されることになりますが、特定事業用宅地等の対象となる「事業」は、所得税における「事業所得」に該当する事業とほぼ同義と考えられています。

 

 したがって、雑所得に区分される業務を行っている宅地等については、特定事業用宅地等に該当しないことになります。

 

 特定居住用宅地等との完全併用が認められるようになり、大きな節税効果が期待できる特定事業用宅地等ですが、後日のトラブルにならないように、適用要件をあらかじめ知っておくほうが良いでしょう

この記事の執筆者

 

花光慶尚

税理士

 

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