(第1回:相続税対策で賃貸物件を建てることの意味)
今回より、不動産オーナーが良く遭遇する税金に関するテーマをポイント解説させて頂きます。第1回目は、世間でよく聞く借入で賃貸物件を建てる相続税対策についてです。
この対策のポイントは、「建物の評価は固定資産税評価額によること」「借家権割合、借地権割合が評価上控除されること」の2点になります。
建物の固定資産税評価額は、文字通り固定資産税を課税するときに用いる評価額ですが、相続税の評価上もこれを使います。この評価額は建物建築費用の50%程度になることが一般的です。つまり、建築費用1億円の建物が、相続税の世界では5千万円として評価されることで、その差額が評価下げになります。
また、この建物が賃貸されている場合には、建物は貸家として借家権割合が、土地は貸家建付地として借家権割合と借地権割合を考慮した割合が控除されるため更に評価額は低下します。

このように、対策により評価下げによる相続税の節税が実現できましたが、果たして何も問題はないのでしょうか。 次回は、この対策の注意点、落とし穴について考えてみたいと思います。
文:花光慶尚(花光慶尚税理士事務所:税理士、CFP、宅地建物取引士)