一般社団法人 不動産ビジネス専門家協会

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相続税及び贈与税の法改正と保険活用(第3回)

相続(税)対策という場合、次のような方法が一般的です。

 

①財産評価額を低くして相続税率を引き下げる。

②(納税)資金を準備する。

 

①の具体例としては、賃貸用不動産の活用などが知られています。様々な優遇制度を利用して現金や不動産などを生前贈与することも可能となりました。また②としては、相続税の納税資金や、売却・分割できない財産を守るための代償金(財産に代わる現金)を準備することが挙げられます。

 

しかし、相続(税)対策をしていても、あるいは相続(税)など関係ないと考えていても、いざ「相続」が「争族」に変わってしまうことが多いのです。なぜでしょうか。配偶者がご存命のとき以上に問題となるのが二次相続。配偶者の軽減・優遇措置がなく大きな税負担となるリスクに加え、さらに親の不在で、財産の多寡にかかわらず相続人同士の主張がぶつかるのです。現に、年間約1万3,000件が遺産分割調停に持ち込まれ、うち遺産額5,000万円以下が75%、1,000万円以下での調停が30%を超えています。(2013年司法統計)

 

大切なのは、財産の評価や節税対策に終わらず、遺される相続人間での分割や代償を考えておくことです。そのために生命保険を上手に利用し、円満な相続や贈与の役に立ててほしいのです。例えば、

①(みなし)相続財産の減額となる非課税枠(500万円×法定相続人数)利用や贈与、②相続税納税資金の確保・不動産や株式(事業)などを一部の相続人に相続させる場合、他の相続人への代償分割資金の確保、③特定の相続人へ固有の財産分与、などを考慮して保険金額や受取人を決めます。その際、契約者、被保険者、受取人が誰であるかによって、税率の異なる相続税、贈与税、(一時)所得税の対象となるため、目的に合わせて加入しないとその効果は変わってくるという点に注意が必要です。

 

文:藤田道則(マニュライフ生命保険株式会社:プランライトアドバイザー)