本年1月1日より相続税・贈与税に関する法律が大きく改正されました。特に相続税の基礎控除額の縮小と税率の引上げなどが大きく取り上げられています。
基礎控除額は、(改正後)3,000万円+(600万円×法定相続人の数) と60%に縮小となり、相続税の課税対象者が広がることになりました。一方で、相続時精算課税制度の対象や居住用宅地の限度面積拡大などの緩和策も織り込まれています。その背景には、急激な高齢化と少子化の進行があり、資産を若年層に移転して経済活動の活発化につなげたい、との思惑があるようです。
これを踏まえて、自らの資産を守るため、または資産評価額を減らすために、不動産の活用を考えたり、贈与を始める方も多いでしょう。しかし資産の種類によっては簡単に分割できなかったり、相続人の人数や立場によっては不公平感から相続がスムーズに行われないこともあり、頭を悩ませるところです。その対策として、生命保険を活用するケースも考えられます。現金で受け取れるため納税資金や遺産分割において利点があり、他の対策とも併せてうまく活用することで資産を守り、相続・贈与に備えることができるのです。多くの方が活用できる、汎用性のある対策でもあります。
次回は、上手に生命保険を活用するために、その特徴や仕組みを簡単にご紹介します。
文:藤田道則(マニュライフ生命保険株式会社:プランライトアドバイザー)